カニなんだけど水って好きじゃないんだよね ~クロベンケイガニ~荒川いきもの図鑑

カニなんだけど水って好きじゃないんだよね ~クロベンケイガニ~

荒川河川敷で極々、普通に見れるカニは?そう、ベンケイガニの仲間の「クロベンケイガニ」です。ヨシ原の中や草むらでゴソゴソと動く彼らです。
弁慶蟹と書きます。彼らの脚には固い毛が生えていて、それをすね毛にみたて、弁慶の泣き所からベンケイガニと命名したとか、甲羅の凹凸の質感が、弁慶の鋭い形相に似ているからとか、諸説あります。ベンケイガニより黒っぽいのでクロベンケイガニになったそうです。

水って好きじゃないんだよね。それには理由があります。水がないと生きてはいけませんが、水に入る時は外敵から逃げる時。その他は陸で生活をする、半水生です。呼吸方法が変わっていて、腹側の鋏脚の付け根から水を取り入れて、呼吸器官を通して口の上にある孔から出す。その水が溝を通って網戸のようなところで酸素を取り込み、また体内に入る。これを繰り返すのです。繰り返せば酸素も少なくなりますね。酸素の少なくなった水は粘り気が出てきます。カニの泡吹きになって酸欠を起こすのです。彼らが泡を吹いていたら、水辺に放してあげましょう!

シラスの中に金平糖のような赤い小さい粒を見たことありますか?それが、カニ類の子どもです。メガロパ幼生とかゾエア幼生。子ども時代は水中生活です。シラスを買ってきて見てください。高確率でゲットできます。たまにタツノオトシゴも発見できるかも!
何でもよく食べる彼らは、自然界の残飯整理役かな?刺身とか生肉とか、ご飯粒も食べます。飼いやすいカニですので、ぜひお子さんと一緒に飼ってみては?

クロベンケイガニ
酸素を取り込む網戸が見えますね。でも、機械的な体です。