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【インタビュー】意欲と学び、そして連帯感の醸成に:江戸川区立小松川第二小学校

里川創造プロジェクト「小松川自然地・里川プロジェクト」では、2012年地元小学校の環境教育支援に注力してきました。そのような中、秋以降に計3回の活動を実践された小松川第二小学校4年生担任の川田先生、水野先生にお話を伺いました。
Ⅰ.プログラムの事前段階
川田.jpg1.活動のきっかけや当初感じた魅力について教えてください。
2年前、6年生の担任していたころの活動が印象的でした。学校の近くに荒川というこんなにいい学習のフィールドがあるので、前々から実践したかったんです。また、去年のエコプロダクツでたまたまスタッフの方とお会いしその想いが強くなりました。また、今年4年生の単元にはぴったりで、荒川を核にして、自然、歴史、防災などを含めた総合学習を進めるのは非常に良いと思いました。

2.4年生が荒川の学習にちょうど良いと思われたのは?
4年生という年齢は、活動そのものを楽しく感じることができ、かつ、実施して得た学びや感動を素直に受け入れることのできる年齢だと思っています。また、学校の単元においても社会科の「地域の開発」、理科は「季節と生き物」との関連性が強く、最適と感じています。ついこの間の理科のテストでもちょうどオオオナモミやセイタカアワダチソウを出題しました。国語でも「トンボの楽園」との関係がありました。そこで登場するビオトープも荒川上流が舞台なんです。

3.不安に思われた点は?
学年児童数150名と人数が多いため、円滑に進行できるかが心配でした。また、野外活動になりますので安全・健康管理、怪我をしたりするのが心配でした。

水野.jpgⅡ.プログラムの当日の運営について
1.実施されていかがでしたか?
子どもたちの表情が非常に良かったです。実感を伴った経験ができ、非常に満足です。
子どもたちも荒川の近くに住んでいるのに、意外と知らない。生活指導上、川は危ないということを言っているのであまり近づかない傾向にあります。自分たちの身近にこんなに素敵なフィールドがあることを知ってもらいたかったんです。その点で、干潟、バッタ、外来種、どれをとっても予想以上の成果があったと感じています。

2.外来種の除草について印象はいかがでしたか?
雑草抜き.jpg当初は黙々と抜き取りをするイメージでしたが、子どもたちが自然に3~4人で力を合わせて抜いていたのは本当に良かったです。なぜ抜かなければならないという理屈の部分も大事ですが、協力して何かをするということが日頃の授業では意外に少ないんです。リコーダーひとつとっても、個人で練習する機会はたくさんありますが、仲間と連帯する機会は少ないので、今回は連帯感の醸成にもつながったと思っています。

3.子どもたちへの環境への関心・理解はどうでしたか?
荒川新聞(成果物)などをぜひご覧になってください。書かれている内容を見ると、「身近な問題をなんとかしたい」、「また参加したい」という子が多かったし、やったことがちゃんと身になっていると痛感しています。

4.安全面への配慮はどうだったでしょうか?
2回目の干潟に出るプログラムが一番大変だったと思いますが、事前に下見にご同行いただくなど、皆様の事前のフィールドワークが功を奏していたと思います。また、引率の保護者の方々の参加も心強かったです。
干潟1.jpg
Ⅲ.プログラム前後の展開について
1.荒川での当日プログラムの前後にどのような学習を行いましたか?
セイタカ 縦位置trim.jpg活動の前段階では、小松川自然地・里川プロジェクトのパンフレットを活用しましたよ。カラフルで見やすく、かつ内容も充実していると感じました。子どもは、草を抜いたら可哀想という素朴な感覚があります。パンフレットに書かれた内容を見ることで外来種の除草の目的を理解できました。
事後の学習は、3回の活動をふりかえって、特に自分が印象に残ったところを新聞にしようというスタンスにしました。児童の間ではお互いの興味・関心を知るという点で非常に良い効果があり、また保護者の方にも好評でした。ちょうど周年行事があったので、地域の皆様にも地域をテーマとした学習の成果を見ていただくよい機会になりました。今後は、校外での発表も視野に入れたいと思っています。

2.改めてどんな学びや成長があったと思いますか?
虫取り2.jpg身近な自然環境に関心を持ち、自分たちにできることがあれば実践したいという意欲を養えたと思っています。
新聞を作った子どもの中には、「今、荒川は危機一髪なんです。掃除や草刈りなどをすればいいんです。しかし、そう単純な問題ではないんです。未来を切り開くのが僕たちの仕事です。」、なかなか良いコメントを残してくれています。

3.総合学習の評価について教えてください。
総合学習はいわゆる5段階の評定ではなく、定性的な評価となります。個々人の関心や活動した結果に対して文章で評価するものです。評価する側の理解が必要になるため、しっかりと新聞を読み込まなくてはなりません。

4.プログラムのブラッシュアップや他学年への展開などはどうでしょうか?
同じ4年生でも、2学期からのスタートでしたので、春から年間を通して実施できれば良いと思います。また、すべてのジャンルの活動を実践するのではなく、子どもたちにリクエスト取って、外来種に興味を持ったら外来種というように、興味関心に応じて同じ活動を続けるのも良いと思います。
もちろん、他学年でも実践したいと思っています。2年前、6年生を受け持ったときは水質調査を実施しました。図工にも関連付けられるでしょう。メインは4年生だと思いますが、5,6年生で発展形のカリキュラムができると良いですし、1,2年生でもやり方次第でよいと思います。今後、4年生での横の広がりと、他学年での縦の広がり両方で考えていきたいですね。

【荒川クリーンエイドより】企業の新入社員には今チームビールディングというテーマを研修プログラムに組み込んでいます。チームで作戦を立て、実践後に作戦を見直し更に実践して振り返るというプロセスに重きを置いて、よいチーム作りについて考えるプログラムです。複数年で荒川の学習を実施いただけることを祈念しています。

3ショット.jpg左:江戸川区立第二小松川小学校
水野惠一先生
中央:同 川田善男先生
右:荒川クリーンエイド・フォーラム
理事・事務局 星野由実