この時季、荒川土手の日当たりのよい斜面を見ると、紫色の細長い花が咲いています。茎をひと回りするような葉っぱがついています。本当は、春の野草なのですが、気の早い個体は12月に咲き出します。そうです。「ホトケノザ」です。
「ホトケノザ」というと、皆さんも「春の七草」のひとつが浮かんでくると思います。春の七草のホトケノザは、キク科の野草です。「コオニタビラコ」という標準和名がついています。「ホトケノザ」・・・いかにも春の七草に、思えてしまうような和風的な名前ですね。実はシソ科の野草で原産国は東アジア、ヨーロッパ、北アフリカに広く分布している外来種です。
茎をひと回りする葉っぱが、仏様が座る”蓮座(れんざ)”に似ていることから、「仏様が座る」で、ホトケノザ命名されたそうです。また、その蓮座が三重構造になっていることから「サンガイグサ」とも呼ばれています。
ホトケノザを見つけたら、『茎』に注目してください。ちょっとだけ茎を拝借して、その形を確認してください。普通、茎の形は丸いですよね。ところが、ホトケノザは『四角』です。ホトケノザに限らず、シソ科の植物の茎は四角いのです。それがシソ科の特徴です。シソ科には、ミントやハーブ系の一部もあります。『セージ』もシソ科で、サルビアに近い仲間です。日本のシソは、ジャパニーズ・ミントというところでしょうか。
ホトケノザは、本当は冬に発芽し、春を待ち3月に開花するのが普通なのですが、今の時季に咲くということは、早咲き?遅咲き?どちらでしょうか?きっと咲いているのは温暖化の影響でしょうね。
一面に咲き乱れると、圧巻です。紫色と濃い緑色の絨毯みたいです。