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【インタビュー】プロボノの目から見た荒川クリーンエイドの研修

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荒川クリーンエイド・フォーラムでは、企業の社員研修事業を自主事業化することを目指して、NPO法人サービスグラントのプロボノの皆さまに戦略および研修事業を紹介する資料作成をサポートいただきました。プロジェクトリーダーの松下様を中心にサポートいただいた皆さまにお話しを伺いました。(プロボノ:職業上持っている知識や経験を活かして社会貢献するボランティア活動)

Ⅰ.はじめに
1.プロボノをはじめようと思われたきっかけをお教えください。
(松下)もともと、何らかのボランティアはやってみたかったものの、なかなか自分のこれまでの経験を活かせ、かつ簡単に参加できるようなボランティアメニューがありませんでした。今回のプロジェクトは、自分の仕事での経験を活かせるもので参加を決めました。

Ⅱ.荒川クリーンエイドの活動について
1.今回、荒川クリーンエイドの活動にも参加いただくなど多様に関わっていただきました。その中で良かった点をお教えください
(松下)活動の良い点として、以下のことが挙げられます
○団体として、長年終始一貫して「ゴミ」「環境保全」というテーマに取り組んできた安心感、安定感
○活動内容が共感を得られやすい分かりやすい。身近なテーマから環境貢献ができる
○クリーンエイドのプログラム全体に楽しめる要素がある
○仕事上での社会との接点とは違った物の見方を得られる
○事務局の皆様の士気の高さや専門性
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自己犠牲をいとわず環境保護のために日々奮闘する崇高な姿勢や、意欲的、現状に甘んじず前向きに将来を考え行動する姿勢、従事している人たちの経験の深さなどです。
(斉藤)始めは、ゴミ拾いなんてと内心思っていましたが、参加してみると実に面白い!いつの間にか夢中になっていました。なんともいえない充実感・達成感が味わえました。

2.改善や強化した方が良いと思われることもお教えください。
(松下)逆にこれから改善の余地がある点としては、以下の点があります。
○柔軟性を持って、他者の視点や考えにももう少し注意を払うと良いでしょう。
○事業展開を考えるには、もっと多くの手法を試みたり、他の成功しているNPOのやり方を徹底研究するなど、より広い視点を持つとよいでしょう。時には「ゴミ」「環境」に固執しないアプローチもなどを行ったりすることで、新たな広がりの可能性があると思います。
○これまでにも数多くの優良企業、有名企業との関わりがあるようですので、今後の自主事業の確立のためには企業との関係性をもっと深めていく必要があるかと感じます。
○大変なこととは思いますが、ブログやFB、ツイッター、NPO関連の総合的なイベントなどのメディアを使った広報活動や、支援を得る施策をもっと活用して、継続的なPR活動や参加者を称える場を充実させると良いでしょう。
(松田)他の団体と組むことで、新しい論理思考ができたり、新しい広がりが期待できます。他の団体のノウハウをいろいろと参考にしてみるといいですよ。松田秋山MINI.jpg
(加藤)イベントで他のNPOとタグを組むことによって、負担も減るでしょうし、ターゲット層も広がります。
(秋山)荒川クリーンエイドの研修には、体験・屋外・身体を動かす・チームビルディング・新規性・アクセスの良さ・実績・ツールの整備などいろいろなキーワードがあります。企業さんに研修事業を紹介するには、相手を知り、特長を整理して自分の言葉で説明して、相手の言葉を引き出すよう頑張ってください。

Ⅲ.企業研修のプロジェクト内容について
1.今回は企業向け資料の作成という新しい分野に取り組んでいただきましたが、その中で苦労なさった点をお教えください
(松下)研修プログラム自体がまだいろいろと変化していく中、研修コンセプトがなかなか見いだせず、結局紹介ツールのゴールを何度も迷うことになりました。
また、NPOとしてのスタートである中で、いかに自主事業として有償サービスを納得してもらう点が大変でした。

2.荒川クリーンエイドの活動をチームビルディングやダイバーシティと結びつけることについてはどのように感じますか
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(松下)まだまだ、チームビルディングやダイバーシティの言葉ばかりがひとり歩きしている感もありましたが、実際に参加してみてクリーンエイド活動とチームビルディングはとても親和性があると感じました。クリーンエイド活動の達成感だけで満足してしまうのではなく、その体験をいかに明日からの業務に活かすかといった振り返りが重要で、とても良い企業研修になると思います。学びのベースにある荒川クリーンエイド独自の「現場」「リアルな体験」などのアングルの視点を強調してチームビルディングを打ち出していくと、斬新でユニークな研修プログラムになります。
(斉藤)チームビルディングジャパンさんと協力態勢ができているので、それを前面に出してお伝えすれば、信頼感も得られます。
実際にプログラムを体験してみると、チームで作戦を立て、それに向かって行動し、後から検証するといったチームビルディングが体感できていました。
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Ⅳ.今後について
1.荒川クリーンエイドの今後のアイデアや期待についてお聞かせ願います。
(加藤)ツールをコンテストで募集などアイデア開発をイベントとすることだってできます。キャラクターやロゴ募集などいろいろな方へと広がる可能性もあります。
(松下)魅力や経験、荒川というロケーションのアドバンテージはあります。焦点を見据え、助成金なしでも活動継続、環境と人材育成をキーワードとして企業とコミュニティを結ぶ架け橋になって欲しいと期待します。
ACFがすすめている企業向け研修は、非営利でありながら自主事業化を目指すという先進的な取り組みでもあり、社会における意義、インパクトのポテンシャルが大きいものと期待しております。ぜひ、この企業向け研修を軌道にのせて、より多くの人々に好影響を与えていって欲しいと思っています。
また、荒川クリーンエイドの活動への大勢の参加者は大きな資産です。参加者の声を生かして新しいアイデアを力に変えてみてください。参加者の皆さんに広報大使になってもらってさらなる拡散を目指していって欲しいと思います。他にも寄付協賛、協働事業の実現などへも積極的に目を向けてください。幅広くコミュニケーションを取っていかれることを期待します。

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(プロボノのみなさんと荒川クリーンエイド・フォーラムスタッフ)

インタビューにお応えいただいたプロボノのみなさん
松下さん(証券会社)、斉藤さん(レジャー関連企業 人事)、
秋山さん(人材開発会社 法人営業)、松田さん(電気メーカー)、
加藤さん(広告代理店 制作)