犬・猫・狐? バッタの人気者? ~エノコログサの仲間たち~荒川いきもの図鑑

犬・猫・狐? バッタの人気者? ~エノコログサの仲間たち~

今の時期、荒川河川敷では、ネコジャラシの穂が金色や紫色や緑色のじゅうたんのように風に揺られている光景を見ますよね。このネコジャラシは、河川敷にはなくてはならない食物連鎖の中心的存在です。
ネコジャラシ・・・普通に言いますが、「あだ名」です。標準和名は「エノコログサ」。”エノコロ”は、イヌッコロという意味で、犬がじゃれて遊んでいる様子に見えるので「エノコログサ」と言うそうです。ネコジャラシは、猫がじゃれるので「ネコジャラシ」です。あだ名が「猫」、本名が「犬」。すごいでしょう?でも、驚くなかれ!英名は「フォックス・テール」。狐のしっぽと言う意味です。ひとつの植物で3つの動物の名前がついているのですよ!

キンエノコロは、まさに金色の穂です。ムラサキエノコロは、まさに紫色の穂です。この2種は見分けるのは簡単!色です!でも、アキノエノコロとエノコログサはなかなか見分けにくいです。アキノエノコロは、穂が少し長く8~12cmで、穂が白っぽく見えます。エノコログサは、穂が3~8cmで、穂は緑色で、背丈もちょっと低いです。これが荒川河川敷の代表的なエノコログサたちです。

彼らの「たね」を食べたことがありますか?えっ、食べられるのか?ですって?食べられます!!たねが茶色っぽくなったら、食べごろですよ!たねをフライパンに落としてください。そして、ポップコーンのように白く爆ぜたらお皿にあけて、しょう油を適量かけて食べます。まるで香ばしい焼きたての「おせんべい」そっくりです!だって、イネ科ですから!野生のおせんべいをぜひぜひご賞味あれ!でも、お腹いっぱいにするにはかなりの量が必要なので、おやつ程度にしてくださいね・・・。
なお、粟はエノコログサを栽培用に改良したものといわれ、日本人は以前からこの仲間を食べていたわけです。

彼らは、バッタ類にも大人気。いろんなバッタたちが、エノコログサたちの葉っぱを食べます。バッタを飼育するときは、エノコログサなどのイネ科の植物がよいですよ!

エノコログサ
金色のじゅうたんのような、キンエノコロ。