【事例】NPO法人総会における議長の役割について活動レポート

【事例】NPO法人総会における議長の役割について

NPO法人の総会では、時折「議長はもっと強い権限を持つべきでは?」という声を耳にすることがあります。
特に、政治団体や議会経験者からの指摘で見られるのが、地方自治法による議会とNPO法人の総会の議長の役割を混同しているケースです。

地方自治法に基づく議会の議長:議会の“顔”であり、秩序の守護者
地方自治法に基づく議会では、議長は議会の代表者であり、次のような強い権限を持ちます。
・議会の秩序を維持する
・発言の許可・制限を行う
・採決の進行と結果の宣言
・議会を代表して対外的な発言を行う
つまり、議長は議会の「司令塔」として、議事の流れをコントロールし、議決の正当性を担保する重要な存在です。

NPO法人の総会の議長:進行役であり、意思決定は社員(正会員)(NPO法)
一方、NPO法人の総会は、法人の最高意思決定機関ですが、議決権を持つのは「社員(正会員)」です。
・議長の役割は以下の通り:
・総会の進行を円滑に行う
・採決の結果を確認し、議決を宣言する
・定款に従って議事を整理する
*事務局が進行を担当することも可能、進行する事務局が正会員で議決権を持つ場合、採決にも関与もできる。

なぜ混同が起きるのか?
政治団体や議会経験者は、どうしても「議長=強い権限を持つ存在」というイメージを持ちがちです。
しかし、NPO法人の総会では、議長は中立的な進行役であり、議決の主役は社員です。

この違いへの理解が「事務局が進行するのはおかしい」「議長がもっと主導すべきだ」といった誤解を抑制することが
できます。

📚 参考リンク
NPO法人の総会運営の基本と注意点(ChangeRecipe)
NPO法人の組織構造と社員・理事の役割(東京ボランティア・市民活動センター)PDF