映画の名セリフ、「事件は現場で起きている!」。正に荒川河川敷でも、毎日のように生き物の事件が起きています。殺害、落とし物、忘れ物、夜中の徘徊などなど。今回は、ちょっと話題を変えて、生き物の残した跡を探す荒川河川敷の楽しみ方をご紹介いたします。
フィールドサインとよく言いますが、『生き物がここにいた。生き物がここで生活をしていた証拠』つまり、生き物の生活の痕跡のことを言います。殺害とか徘徊とか、ちょっと怖い言い回しですが、殺害は捕食、徘徊は行動、と思ってください。
では、フィールドサインにはどんなものがあるかと言いますと、「食痕」は捕食し食べた後です。「落とし物」は、糞などの排泄物、あるいは鳥の羽です。「忘れ物」は脱皮殻や繭、蛹から抜け出たものです。「足跡」は生き物が行動した跡です。荒川に行ったら、そのようなものを見つけてください。見つかったら、物語風に、あるいは5W1Hを使いニュース解説風とか、まるっきり自由に考え名探偵になって推理してください。正解を当てるのではなく、よく観察し自分なりに、自然界の不思議に挑戦するのです。
例えば、写真のようなフィールドサインを見つけたとします。
葉っぱに不思議な跡が有ります。よく見ると、段々と筋が太くなっています。しかも、筋の模様が統一されていない。何枚もの葉っぱに同じようなものが有るけどみんな違う模様になっているのです。そうか謎が解けた!犯行時間は夜です。街灯がなく目撃者もいないからです。犯人は先のとがったもので、葉っぱに傷をつけたのです。生き物は道具を使わないので凶器は爪でしょう。爪がとがって夜に行動する生き物はたくさんいるが、犯人は子猫です。犯行動機は風で動く葉っぱが気になり、無性にじゃれつきたくなったのです。
というような感じで子ども達と楽しんでみてください。ちなみに、正解は「ジカキムシ」とも呼ばれています。犯人は、ハモグリバエの仲間かハモグリバチの仲間の幼虫が、葉っぱの中を食べ進んだ食痕です。成長するにつれ、筋の跡も太くなるのです。英語では「葉っぱの炭鉱夫」と呼ばれています。いつか違うフィールドサインもご紹介いたします。
最後は、葉っぱに穴を開け飛んでいきます