皆さんこんにちは、いまむらさんです。
CSVやESG投資などCSRが昇華してきた中でやはり本質はCSRなんじゃないかと思う今日この頃。
思うことを記事にしてみました。
*情報のアップデートはご自身でもお願いしますm(_ _)m
今回の案内人
いまむら – コードネーム【いまむらさん】
プロフィール
- 日本で今のところ唯一建設工学系で砂浜の自然環境をアカウミガメ目線で分析して博士号を持っている。が、生活の役にはたたない。
- それっぽいお仕事
- 環境省ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン検討委員
- 立教大学RSL兼任講師
- 上場企業を中心に年間50-80社程度の企業さんと一緒に環境講話や実践活動を展開している

ここ数年、ビジネス界では「CSV(Creating Shared Value)」や「ESG(Environment, Social, Governance)」といった言葉が主流だった気がします。
どちらも素晴らしい考え方ですが、SNSで情報が一瞬で広がるVUCA時代において、企業が本当に考えるべきことは何でしょうか?
結論から言えば、「CSRの本質に立ち返ること」ではないかと思うのです。
CSRは単なる寄付や社会貢献活動ではなく、企業が事業を通じて社会にどう価値を提供するかという根源的な問いです。
CSVやESGはその進化形とも言えますが、流行語に振り回されるより、CSRの本質を理解し、実践することが企業の信頼を守る鍵になりそうです。
SNS時代の現実:良いことはなかなかバズらない
SNSは企業にとって両刃の剣。良い取り組みは必ずしも拡散されません。
むしろ、炎上や不祥事の方が圧倒的に広がりやすいのが現実です。
「せっかく社会貢献活動をしているのに、SNSで話題にならなかった、売上につながらない」という声を聞くこともあります。
CSRは“いいね”を稼ぐためのものではありません。
本当の価値は、長期的な信頼の積み重ねにあります。
企業さんと協働する現場活動で見えてきたこと
・会社をつくるのは社員一人ひとり。だからこそ、CSRの質もその手の中にある。
・社員の行動が、企業の信頼をつくる。
・誰かがやるCSRではなく、みんなで守る信頼。炎上は、無意識の隙から始まる。
・社会貢献の質は、社員の意識で決まる。企業の顔は、現場にある。
CSRを事業戦略に組み込むヒント
CSRを「広報のため」ではなく「信頼のため」に位置づけるには、次の3つの視点が重要です。
・経営理念との一貫性を確認する
CSR活動は企業のビジョンやミッションと直結しているか?一貫性がなければ、単なるイベントで終わります。
・事業プロセスに組み込む
CSRを“別枠”で考えない。製品開発、調達、販売など、事業の流れにCSRの視点を入れることで、持続可能な価値創造が可能になります。
・成果を“信頼”で測る
KPIを「SNSの反応」や「メディア露出」ではなく、社員のエンゲージメントや地域との関係性で評価する。信頼は数字になりにくいですが、長期的なブランド価値に直結します。
経営的な視点で考える
製造業:サプライチェーン全体で環境負荷を削減。CSRを調達基準に組み込み、取引先との信頼を強化。
IT企業:社員ボランティアを評価制度に反映。CSRを人材育成とリンクさせ、エンゲージメントを向上。
食品メーカー:地域清掃活動を継続し、地元自治体と協働。SNSでの拡散は少ないが、地域ブランドとしての信頼を獲得。
河川/海洋ごみ問題の現場から考える
CSRを「広報」から「信頼」へシフトするなら、現場での体験がカギです。
川の清掃活動は、社員がCSRを“自分ごと”として感じる絶好の機会。
「CSRを戦略に落とし込む第一歩は、現場に足を運ぶこと」
私たちは、その場を提供し、企業と社会をつなぐパートナーであり続けます。
信頼を築き上げる
VUCA時代に強い企業は、社会との信頼関係を築ける企業です。
CSRの本質を理解し、日々の意思決定に組み込むことが、炎上リスクを減らし、ブランド価値を高める最良の戦略です。
派手なスローガンよりも、誠実な行動の積み重ねが、SNS時代の最大の武器になります。
炎上の火種が常に身近に潜んでいる中で、もし何らかのトラブルが起きてしまった場合も、
継続的な活動がその消化スピードを早めるかもしれません。