ボランティアで回収したごみは一廃か産廃か調べる・知る・学ぶ

「ごみ」は大きく産業廃棄物と一般廃棄物の2種類に分かれています。
産業廃棄物と一般廃棄物は明確に区別されており、また扱いも異なります。
ここでは、一般廃棄物について簡単に解説します。

一般廃棄物とは
一般廃棄物(一廃:いっぱい)は、家庭から排出される「家庭廃棄物」と事業活動で排出される「事業系一般廃棄物」があります。 事業系一般廃棄物に関しては、排出される条件によって区別が異なるため、注意が必要です。 また一般廃棄物においても、毒性や爆発性などを有した特に危険なものは「特別管理一般廃棄物」と呼ばれます。

ボランティアで回収したごみの扱いは?
平成22年3月30日に環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課長(環廃対発第100330002号)から 以下の通達が出ています(一部抜粋)。

リンク切れ用(通達

2.民間団体等が回収した海岸漂着物等の取扱い
地域住民及び非営利組織その他の民間団体等(以下「民間団体等」という。)のボランティア活動による海岸漂着物等(海や湖などにおいて、漂流、堆積又は散乱しているごみ等も含む。)の回収が全国各地で行われているが、民間団体等がボランティア活動として海岸漂着物等を回収した際に発生した廃棄物については一般廃棄物である。 ついては、市町村にあっては、必要に応じて民間団体等の関係者と分別区分の調整等を行い、回収された海岸漂着物等を市町村の廃棄物処理施設において処分する等の善処をお願いする。 なお、民間団体等が海岸管理者等からの事業委託等により、当該民間団体等の事業として海岸漂着物等を回収する場合は、事業活動に伴って生じた廃棄物に該当し、その種類によって、一般廃棄物又は産業廃棄物となるので留意されたい。

その後、平成30年6月に海岸漂着物処理推進法が改正され、環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室より以下の変更が公示されています。

○主に以下の事項を追加
1.海岸漂着物等の円滑な処理のため、内陸域から沿岸域までの流域圏で関係主体が一体となった対策を実施すること、漂流ごみや海底ごみについて、漁業者等の協力を得ながら処理を推進すること
2.海岸漂着物等の効果的な発生抑制のため、使い捨てのプラスチック製容器包装のリデュースなどによる廃プラスチック類の排出抑制、効果的・効率的で持続可能なリサイクル、生分解性プラスチック・再生材の利用の推進等を図ること
3.マイクロプラスチックの海域への排出抑制を図るため、事業者による洗い流しスクラブ製品に含まれるマイクロビーズの使用抑制、国による実態把握を推進すること
4.多様な主体の連携を図るほか、国際連携の確保や国際協力の推進のため、途上国の発生抑制対策の支援、地球規模のモニタリング・研究ネットワークの構築などを行っていくこと

基本的にはボランティアで回収したごみは「一般廃棄物」であり、自治体がその回収について善処してくれる、と考えてもらって問題ありません。
ただし、自治体ごとにごみ処分の予算(税金)等の都合もあることを同時に考慮する必要があります。

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